1.薬液注入工法の定義

薬液注入工法とは「任意に硬化時間を調節できる注入材料(薬液)を「地中に設置した注入管を通して地盤中に圧入し」「止水や地盤強化」を図る地盤改良工法である。

 薬液注入工法の特色は次のとおりである。

  • 特に砂質地盤においては、土の組織を変えることなく、土粒子の間隙を埋める水と空気を追い出し、そこに注入材料(薬液)が浸透固結する。
  • 浸透固結または脈状固結した薬液により地盤の粘着力が増加し、透水係数が減少することで、地盤が強化されたり、遮水性が高まる。
  • 使用する材料は水ガラス(珪酸ソーダ)を主材とし、それに硬化材、助剤を加えることで固結する薬液であり、硬化時間は数秒から数時間の範囲で調整できる。
  • 使用する機械は小型であり、狭隘な箇所や360°任意の角度で施工が可能である。

2.適用範囲

 適用範囲は以下のようにする。

  • 土質地盤への薬液注入
  • 主として土木建築工事の補助工法に使用し、薬液注入の効果を期待する時間が短時間である工事

 従って以下は適用場外とする。

  • 1
    長期に耐久性を期待する耐震補強や液状化防止等への使用
  • 2
    岩盤への注入や空洞充填注入
  • 3
    すでに漏水している箇所での止水注入
  • 4
    埋め戻し後あまり時間が経過していない埋め土への注入
  • 5
    特別に高い強度を期待する目的への適用
  • 6
    薬液以外の注入材料を用いた注入

 

3.薬液注入工法のシステム

 薬液注入工法の基本的なシステムは、薬液を所定の配合で混合するグラウトミキサ、薬液を圧送するグラウトポンプ、注入時の施工管理を行う流量圧力管理測定装置(通称:流量計)、地中に注入管を設置するため地盤を削孔するボーリングマシンから構成される。

4.現在使われている工法

 現在薬液注入工法として検討される注入工法は、二重管ストレーナ工法・ダブルパッカ工法とその他の工法に分類される。

日本グラウト協会「薬液注入工 設計資料」抜粋

二重管ストレーナ工法

単相式・複相式の代表的な工法名と特徴は以下のとおりです。

①二重管ストレーナ(単相式)注入工法

 主としてゲルタイムの短い注入材を注入するために開発された工法であり、注入材の地下水等による希釈や目的とする改良範囲以外への逸走等の発生度合いが小さく、また、土質性状にあまり左右される事なく、全体均一で確実な改良効果を期待することができるとともに、小規模機械・設備による施工が可能な工法である。 

②二重管ストレーナ(複相式)注入工法

 同一注入孔において、ステップ毎に瞬結性注入材(ゲルタイム数秒程度)と緩結性注入材(ゲルタイム数分程度)を交互に注入する工法で、瞬結性注入材にて大きな空隙への充填並びにロッド周囲のパッカー効果をはかり、緩結性注入材にて土粒子間の浸透注入を行う工法である。

施工状況写真

① 観測井設置

↑ ボーリングマシンにて削孔状況

↑ 観測井塩ビ管挿入状況

↑ 観測井採水状況

② 二重管ストレーナ工法

← ボーリングマシンにて削孔状況

↑ ゲルタイム測定前(瞬結)

↑ ゲルタイム測定中(瞬結)

↑ ゲルタイム測定後(瞬結)

↑ ゲルタイム測定前(緩結)

↑ ゲルタイム測定中(緩結)

↑ ゲルタイム測定後(緩結)

↑ 注入状況

 ↑ 注入完了

↑ 使用ロッド検尺

ダブルパッカー工法の概要

  • グラウト工法の中でも最も充填性能に優れ、高い止水効果が期待できる。

 φ100mm程度の孔径にて所定の深度まで削孔を行い、注入をおこなうためのマンシェットチューブを建込み一次注入材料懸濁型(セメント+ベントナイト溶液)・二次注入材溶液型(緩結型又は長結型)の材料を用い、低吐出(6リットル/分から10リットル/分)で注入する事により浸透固結させる工法である。

 注入間隔は33cm毎で、細かい注入範囲で改良が行えるとともに、マンシェットチューブ周囲はスリーブ材(セメント+ベントナイト溶液)で充填する為、マンシェットチューブ周囲からの注入材漏出がなく、確実に対象地盤の改良が行える。

  • 施工手順

①削孔 所定の深度まで削孔を行う

②シール注入  シールグラウトを孔内に充填する

③スリーブパイプ 

④ケーシングパイプ引抜き

⑤一次注入 スリーブパイプの中へパッカ付きの内管を挿入し、一次注入を行い地盤の均一化を図る

⑥二次注入 一次注入完了後、溶液型注入材にて浸透注入を行う

 

この工法の特徴として、

  •  シールグラウトを行うため、浸透性のよい長結注入材を使用してもリークしない
  • 注入管(スリーブパイプ)を設置しているため、反復注入が可能である
  • 削孔機をロータリーパーカッションで行うため、削孔スピードが速く、傾斜(30度〜35度)があっても自走で移動できる 

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